東日本大震災・福島原子力発電所事故から10年の時を迎えました。当時のことを今も鮮明に覚えている方は多いのではないでしょうか。

今回、長崎平和学講座の講師にお迎えしたのは、この大規模複合災害に正面から向きあい続けてこられた長崎大学原爆後障害医療研究所の髙村昇教授です。福島第一原発事故直後の3月19日。髙村氏は福島に入られ、行政の要請もあり福島県の健康リスク管理アドバイザーとして活動を始められました。

髙村氏は、「雪がちらつく寒い時期。説明会場となるのは避難者もいる体育館。靴下だけじゃ寒かろうとスリッパを持ってきてくれた方。食べ物や飲み物にも不自由する環境で、ちゃんとした食事もしてなかろう、とカゴいっぱいに食べ物を持ってきてくれた方。そんな皆さんの力になりたい。それが原動力だった」と語られました。

仏法では、「さまざまな困難を抱えた人たち」の存在に目を向け、苦しみを取り除くことの大切さが説かれています。

原爆から復興を果たした長崎。日常の中で福島と向き合い、「福島を忘れない」ことこそ、長崎に生きる私たちの使命だと感じた講演でした。(弘)
長崎創価学会 平和学講座①

長崎創価学会 平和学講座②