長崎創価学会 えらぶゆり

現在、核兵器を保有している国は9ヵ国。そのなかで国際社会から核兵器の保有を認められている国は、米、露、英、仏、中の5ヵ国です。この5ヵ国は、NPT(核兵器の不拡散に関する条約)を批准しています。この他に核兵器の保有を宣言しているもしくは保有が確認されている(信じられている)国としては、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮の4ヵ国がありますが、これらの国はNPTを批准していない核兵器保有国です。※イスラエルは公式に保有について肯定も否定もしていません。

NPTは、1970年に発行した多国間条約(190ヵ国が加盟)。1967年1月1日以前に核兵器を製造しかつ爆発をさせた5ヵ国には、核兵器保有を認める代わりに“核軍縮”の交渉義務を課しています。一方、それ以外の国には核兵器の不拡散義務を課す代わりに原子力の平和利用を認めています。しかしこのような条約の姿勢(不平等体制)への反発から、先に述べた4ヵ国がNPTを批准しないまま事実上の核兵器保有国となりました。ちなみに、インド、パキスタン、イスラエルは当初から条約には不参加。北朝鮮は2003年にNPTを脱退しています。

核保有国側は、NPT第6条の“核軍縮”の精神に則り保有数の削減に努めているとしていますが、削減は遅々として進展せず、反面核兵器の威力は増大しかつ近代化・小型化しています。更に、核兵器を保有する国同士が核兵器を使用した場合、互いに生き残ることができない「相互確証破壊」に繋がるため、核抑止に繋がっているとする見解も一部にありましたが、今や核兵器が「使えない兵器」から「使える兵器」へ変化したと指摘する専門家もいます。

このような核兵器保有国の不誠実な態度に業を煮やした有志国のメキシコやオーストリアなどが立ち上がり、核兵器の非人道性の観点から成立を後押ししたのが「核兵器禁止条約」です。

これまで国連加盟国の3分の1以上にあたる70ヵ国が署名し、23ヵ国が批准しています。条約発効要件は、50ヵ国の批准ですが、批准への動きは着実に広がっています。
(弘)