「知的な装い」との花言葉をもつアガパンサス。初夏の日差しに照らされ“平和の丘”に凛と咲き誇っています。
2020年度第1回「核兵器廃絶市民講座」が、コロナウイルス感染防止対策を施すなか長崎原爆資料館ホールで開催されました。今回は、初の試みとしてオンラインシステムを活用。「NPT再検討会議に向けた課題」と題して核兵器廃絶研究センターで副センター長を勤める広瀬教授と同センターの中村准教授による講演でした。
現在の世界は、自国の利益優先を声高に主張する風潮が広がり多国間の国際協調枠組みが崩壊する危機を秘めつつ推移しています。
50年を経過したNPT核不拡散防止条約はその体制を維持してはいるものの、核兵器保有国の削減は遅々として進んでいません。一方で核兵器の小型化や近代化により使用されるリスクが高まっていると指摘する専門家もいます。核兵器の削減について議論ができる場を設けることが、より一層求められます。
気候変動や感染症といった危機と比べ、核兵器廃絶運動は目前に迫ったリスクが目に見えず共感が広がらない、との声もあります。しかし先の2つの危機と同様に、「誰も無関係でいられない」重要な課題です。
だからこそ私たちは、一人の意識変革が社会を変え世界を変えていくことを信じ知的な行動を続けていきたいと思います。
(弘)