長崎創価学会 桜

 あの悲惨な原爆投下から75年を迎える本年、被爆者の平均年齢は82歳を越えています。日本では、戦争を知らない世代が増え、紛争のない毎日が当たり前だと感じている人が多いのではないでしょうか。世界では、未だ争いが絶えず、厳しい情勢の中で日々を過ごしている人々が多くいます。

 被爆50年を刻んだ25年前に撮影された、被爆証言の映像があります。証言者の多くは、当時10代から20代だった方々の、鮮明な記憶として残る話ばかりでした。幼い子どもたちが、食べ物も十分に食べられず、国のためにと必死に生きてきた時代でした。
一発の原子爆弾が投下され、長崎の町は火の海となり、一瞬にして多くの人の命が奪われました。終戦後も、放射線の影響で病気を発症し、言うに言われぬ差別で苦しんできた人もいます。原爆投下は、ただの歴史ではなく、決して同じ過ちを繰り返してはならない教訓だと思います。

 長崎に生きる私たちの使命――。それは、被爆者の生の声に耳を傾け、未来に続く平和のために、被爆証言を語り継いでいかなくてはいけません。そして、戦争で苦しむ人がいない時代を築いていかなければならないと感じました。

 この夏、長崎創価学会は被爆証言集の発刊に向け準備を進めています。平和な世界を創っていくため、忘れてはならない命の声があるのです。(恵)

長崎創価学会 海