長崎創価学会 長崎の空

 1・26「SGIの日」に寄せて、「平和と軍縮の新しき世紀を」と題する記念提言が発表され聖教新聞に全文が掲載されました。池田先生は今回の提言で、“AI兵器”に触れ『AI兵器を全面禁止す条約の制定を推進』を提案しています。ニュースでも頻繁に耳にする“AI”。
 その“AI”が兵器として使用されると、どんな世界になるのでしょうか?

 一般に、AI(artificial intelligence)とは人工知能を指し、自律的に認識・学習・判断・推論をおこない、状況に合わせた対応をするコンピュータ(ソフト)のことです。私たちの身近な所では、掃除ロボット、インターネットの検索エンジン、囲碁AI「アルファ碁」、顔認証システムなど、AIは様々な場面で活用されています。

 一方、こうしたAIを軍事兵器に活用する動きも進んでいます。既に実戦配備されている兵器としては、無人偵察機や無人攻撃機、国境警備用として配備されている無人攻撃兵器などがあります。ちなみに米国は、はじめてドローンを攻撃に使用した2004年6月から2017年4月までに400回を越える攻撃に活用し4,000人の人命を奪ったとされています(うち一般市民1,000人以上が犠牲になったといわれています)。

この他、下記の表にあるように多くの国でAI兵器の研究開発は進められており、近年では自動運転自動車や人型の「アトラス」、四足歩行ロボット「LS3」なども注目されています。

  いずれも、現時点ではプログラム通りに行動し、判断が必要な場面では人(オペレータ)が遠隔で操作(介在)をしていますが、この研究開発の先には自律型と呼ばれる“自分で考え行動する兵器「自律型致死兵器システムLAWS」”の登場へと繋がっています。

 LAWSはまだ実戦配備に至っていませんが、ひとたび現れれば核兵器の誕生にも匹敵するような世界の安全保障を一変させる事態になりかねない、との懸念が広がっていることから、今回の提言では、人類がこの核兵器と同じ過ちを繰り返さないためにも、多国間協議の下でAI兵器の全面禁止条約の早期締結を求めています。

 1957年9月8日、戸田先生は「原水爆禁止宣言」のなかで「われわれ世界の民衆は、生存の権利をもっております。その権利をおびやかすものは、これ魔ものであり、サタンであり、怪物であります」と核兵器を“絶対悪”と断じ、仏法の生命尊厳の思想を全世界に広めゆくことを後継の青年に託しました。

 これまで核兵器は、“相互確証破壊兵器”であるがゆえに“使用できない兵器”とされてきましたが、現在核兵器保有国では核兵器の近代化や小型化が進められており、被害規模をコントロールすることで“使用できる兵器”へと変化しつつあるとされます。もとより核兵器とAI兵器では、技術や被害の規模についても比べられるものではありません。しかし両者には“いかなる手段も厭わず、どんな犠牲が生じても構わない”といった生命軽視の思想が横たわっており、人道的にも倫理的にも断じて容認できるものではありません。

参考文献
「AIが人間を殺す日」集英社新書
「殺人ロボットがやってくる!?」合同出版