草の根映写会 in 佐世保 ★開催レポート★
女性平和委員会では、戦後被爆60周年の節目の2005年夏に「戦争体験の継承・記録運動」を展開しました。更に2006年にはDVD「平和への願いを込めて」が完成。それを基にSGIによって「平和への願いを込めてー広島・長崎 女性たちの被爆体験」が制作されました。
その中には長崎の被爆者である橋本トヨミさん(故人)と幸里(こうり)愛子さん(故人)、被爆2世である娘の丹羽佳瑞美(にわかずみ)さんの体験がおさめられています。
これは戸田第二代会長の原水爆禁止宣言と、池田SGI会長が切り開いてくださった平和と人道の思想哲学の上から、核兵器の非人道性と廃絶を世界に訴える「平和教育」の教材として活用されるよう5言語版として編集され、当時長崎でも県や市の多くの教育機関に寄贈されました。
そして、昨年2017年より女性平和委員会はこのDVDの上映会を草の根の意識啓発運動として全国で展開する「草の根映写会」の開催推進をスタートしました。
長崎では、女性平和文化会議の皆さんの協力を得、去る5月26日に佐世保平和会館にて開催しました。
残酷な戦争や原爆には絶対に反対との声がたくさん寄せられ、「ヒバクシャ国際署名」にも参加していただきました。
昨年、ニューヨーク国連本部での「核兵器禁止条約」が開拓された折、この条約成立の大きな力となったのはヒバクシャの声であったとも言われました。
条約の実効性を高めるためにも戸田第二代会長が叫ばれ、池田SGI会長が毎年のSGIの日記念提言で世界へ発信してくださっている「核兵器は絶対悪」との思想を市民社会の中に更に実感を持って伝え広げて行く意識啓発運動として「草の根上映会」を推進してまいりたいと思います。
草の根映写会に参加して
佐世保常勝県平和文化会議 藤澤議長
冒頭、浦頭引揚記念資料館についての発表を聞いて驚きました。その理由は、戦後、私が生まれ育った地元である佐世保に、世界中に取り残されていた何百万人もの日本人が引揚者として帰国していたという事実を知らなかったからです。また、引揚船にやっとの思いで乗れたものの、上陸する前に、栄養失調や感染症など、悪辣な環境の船中で多数の人が亡くなったことから、言葉でしか知らなかった“引揚げ”がどれだけ過酷な状況あったかを初めて実感しました。
続く被爆体験の上映では胸が締め付けられました。被爆者が受けた迫害や後遺症によって、ひとりの女性がどれだけ苦しんだか痛いほどに伝わってきました。被爆二世である子供への実際の影響を知った時の母としての悲しみと怒りには、私も涙が流れました。原爆は過去の出来事ではなく、現在、生きる人にとって、“被爆”はまだ続いているのだと感じました。
最後に母桜合唱団の強く優しい歌声に包まれ、戦争を繰り返してはならない、という誓を強くすることができました。
生きて、繫いで 被爆三世 ~これからの私たちは~作品展
九州女性文化会議 土居議長
「生きて、繫いで 被爆三世~これからの私たちは~作品展」がナガサキピースミュージアムで開催されました。6月24日には、紙芝居「二重被爆」「きのこ雲に追いかけられて~二重被爆 山口疆~」が催されていました。
これは、二重被爆者である山口疆さんの孫・原田小鈴さんとご子息が、紙芝居で山口さんの被爆体験を語り継ぐもの。
原爆投下から73年。今日までに私たちが耳にし、目にした原爆の悲惨さは、ほんの少しかもしれません。筆舌に尽くしがたい思いや無念さに心を砕きながら、今を生き未来を生きる私たちが「核兵器のない世界」へ、声を形にしていかなければならないと強く決意をしました。
<編集後記>
この夏、平和に関して学び感じたことを友人に語り、友情の連帯を広げて参ります!
佐世保常勝県平和文化会議 藤澤