長崎青年部「平和宣言」10周年を迎えて
長崎女性平和文化会議 渡邊総県副総合議長
長崎青年部「平和宣言」
- 一、絶対に三度目の核兵器を使用させない
- 一、「原水爆禁止宣言」を時代精神に高める
- 一、師と共に「戦争のない未来」を開く
- 一、父母の平和の祈りを永遠に継承する
- 一、長崎から生命尊厳の哲学を全世界へ
本年は、長崎青年部「平和宣言」の発表より10周年の佳節を迎えます。
1988年以降、毎年、長崎青年部が「核兵器のない世界」を目指し世界平和構築への後継の誓いを立ててきたピース・フォーラム。しかし、2009年の夏は様相が異なっていました。様々な角度から開催について何度も検討をしました。それでも開催の判断を下せないでいる私たちの心を包み込むように、池田先生から厳愛のご伝言が届きました。“小さくてもいいからやりなさい””平和運動は続けることが大事なんだ”とー。
いかなる厳しい状況にあっても、信念を貫き、平和行動の足を止めることなく、人間主義の対話で平和闘争をし続けた池田先生の魂魄に触れ、猛省と感動の衝撃を受けながらその年のピース・フォーラムは開催となりました。そして、このフォーラムの中で新たな平和闘争の誓願として長崎青年部「平和宣言」は発表されたのです。まさに、平和原点の地・長崎の青年部が師の平和闘争の魂を継承する決意を打ち立てた宣言こそ、この長崎青年部「平和宣言」です。
この年、池田先生は「原水爆禁止宣言」(1957年)発表の日となる9月8日に寄せて、「戸田第2代会長生誕110周年記念提言『核兵器廃絶へ民衆の大連帯を』」と題する提言を発表されました。そこには、恩師の遺訓の実現へ闘争を続ける池田先生のお姿がありました。
以来10年間、様々な取り組みを通して、核兵器廃絶をはじめ、“長崎から世界へ”平和のメッセージを発信し続けてきました。殊に、核兵器禁止条約が採択(2017年)されるなど、池田先生が提言し続けてこられたことが具現化し、歴史が大きく転換した10年でもありました。
新時代の到来にあたり、社会構造や世界情勢は瞬く間に変化し、加えて連帯の多様性と情報の拡散性も大きく変化しています。平和運動のアプローチもまた同様であり、その変化の中心にいる青年の育成と積極的な関わりが今こそ求められる時代となりました。これまで一歩一歩積み重ねてきた平和運動の歴史に、新しい価値創造を付加しながら人間共和の世界を創出する責務と使命を帯びた長崎青年部こそ新時代の主役たると自負しています。時代の変化に柔軟に対応しながら、「目の前の一人を大切にする」人間主義に徹し、生命尊厳の哲学を胸に「原水爆禁止宣言」を時代精神に高める平和運動に確実な継承性をもって取り組んでいきます。
「ピースフォーラム2019 第82回長崎平和学講座」に参加して
女性平和文化会議 内野委員
現在日本は、核兵器禁止条約を批准していませんが、今回の講座を拝聴し被爆国である日本だからこそ、早期に核兵器禁止条約の批准を目指してほしいと思いました。今後、更に核兵器禁止条約に関する議論を展開し、平和への道を歩んでいってほしいです。
長崎で生まれ育った若者の1人として、犠牲となった被爆者の思いを忘れることなく、今後も語り継いでいきます。
核兵器禁止条約は批准国50か国以上で発効されるため、あと半数の批准が必要となるのでまだまだ時間がかかると思いましたが、先月29日にカザフスタンの批准が決定されるなど着々と世界が核兵器廃絶に向かっているのだと実感しました。私たち市民一人一人が核兵器廃絶を訴えて国を動かしていくことの重要性を感じました。

核兵器禁止条約批准国(2019.9月現在)
国名:26カ国。オーストリア,ボリビア,クック諸島,コスタリカ,キューバ,エルサルバドル,ガンビア,ガイアナ,バチカン,カザフスタン,ニカラグア,メキシコ,ニュージーランド,パラオ,パレスチナ,パナマ,セントルシア,セントビンセント及びグレナディーン諸島,サモア,サンマリノ,南アフリカ,タイ,ウルグアイ,バヌアツ,ベネズエラ,ベトナム
<編集後記>
長崎女性平和文化会議は、平和運動は続けることが大切だと教えて下さった池田先生の言葉を胸に、生命尊厳の心と行動を継承して参ります。
長崎女性平和文化会議 林田総県議長