長崎女性平和文化会議・議長あいさつ
森 総県議長
この度、長崎女性平和文化会議議長の大任を拝しました森と申します。
2030年、創価学会創立100周年へ、また、人類史転換の岐路に立つ重要なこの時に、平和原点の地長崎より、池田SGI会長の平和の哲理を語り広げる使命をいただき、身の引き締まる思いです。宜しくお願い致します。
現在、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、世界中で社会的・経済的な混乱が続き、多くの人々が先の見えない不安や分断に直面しています。この未曽有の危機の中を私たち一人ひとりはどのように価値創造し、乗り越えていくための行動を起こしていくか。池田SGI会長はその方途を本年の第46回「SGIの日」記念提言に提起してくださいました。
「どんな脅威や深刻な課題が生じようとも、その影響によって困難を抱えている人々を置き去りにせず、「悲惨」の二字をなくすための基盤を社会で築き上げていくことだと思います。」
現在、感染拡大を予防する新しい生活様式として、身体的距離の確保をはじめ、手洗いの励行やマスクの着用、三密の回避等が呼び掛けられています。しかし、世界に視線を向けるとコロナ以前からの問題が山積しており、ジェンダー問題、気候変動、低賃金での労働等、一人一人の置かれた状況は深刻さを増しています。
提言では、このような現状について、「感染防止策として推奨される「石鹸と水による手洗い」ができない環境で生活する人の数は、世界の4割、また、紛争や迫害によって故郷を追われた難民の人たちの数が世界で8000万人に達する中、その多くが難民キャンプなどでの密集した生活を余儀なくされています。」と例示されています。
私は、そのような状況にあっても、難民の方々が地域の医療従事者や、他の難民、地元の人々に少しでも恩返しができればとマスク作りを自発的に行い、地域貢献されたことを知り、深く感動しました。
一人一人が自身の置かれた境遇や環境を超えて、他者に思いを馳せ、自分たちに何ができるか考え、行動に起こす―その連鎖反応が困難な状況を好転させ、そこからさらに一人の人間の力が無限大に広がることを感じました。
私たち長崎女性平和文化会議は、今こそ、この無限の力を最大に発揮し、万人尊厳の輝き溢れる連帯を築いていくことが大いなる使命であると自覚します。どのような状況にあっても、目の前の一人を励まし、勇気の行動を一歩踏み出す潮流を女性のエンパワーメントで起こして参りましょう!
『核兵器禁止条約』ピースカレッジ 開講!
(創価学会長崎県事務局 長崎平和推進部 田端部長)
大川 総県副議長
この度、長崎女性平和文化会議副議長の大任を拝しました大川と申します。核兵器廃絶禁止条約が発効された本年、核兵器の脅威を地球上から取り除く挑戦をいや増して勢いよく開始して参ります。
先月2月21日、『核兵器禁止条約』についてのピースカレッジを開催し、28人の女子部員と共に学び合いました。核兵器禁止条約は、2017年7月7日に国連総会で採択、2021年1月22日に発効されました。2021年1月22日時点で、署名国は86か国、批准国は52か国となっています。今後は、発効から1年以内に国連事務総長によって、締約国会議を開催される予定となっています。
『核兵器禁止条約』の最大の特徴は、「核兵器の存在を否定し、その使用や開発が明確に禁止された初めての国際法」であり、核兵器に『悪の烙印』を押した大変意義深い条約であることです。具体的なポイントとしては、①核兵器の製造、保有、使用、核兵器による威嚇などを全面的に禁止②核兵器そのものを「非人道的な兵器」として否定をしていることです。この条約により、核兵器自体が直接的に減るわけではありませんが、核兵器を使用できない状況を作り出す大きな一歩となりました。
本講義では、現在の世界で核兵器が使用された場合に想定される被害の甚大さを表現した動画の視聴や、敵国が先制攻撃をしてきたとの誤警報によって“核のボタン”が押されるとの緊迫した設定のストーリー朗読も行いました。核兵器は1度発射すると、途中で攻撃を止めることも、撃ち落とすこともできず、着弾は免れない悲惨なものだということを改めて認識しました。
本講義を通じて、絶対に三度目の核兵器を使用させないとの思いを強くすると共に、核兵器使用の根因である相互不信を取り除く「対話」の大切さを感じました。核兵器禁止条約は、核兵器なき世界へ「終わり」の「始まり」であるとの言葉が印象に強く残りました。長崎青年部として更に学び深め、私たちにできることは何かを考えながら、「始まり」の行動を起こして参ります。
~ピースウォーク体験記~
佐世保常勝県 浦馬場 室員
昨年12月12日、長崎女性平和文化会議の室員メンバーで被爆遺構を巡るフィールドワーク『ピースウォーク』を行いました。
初めに、城山小学校を訪れました。当校は、当時の被爆校舎の一部を平和祈念館の展示資料室として開放され、静かな環境で命の大切さを見学できます。館長のご婦人にピースウォークの趣旨をお伝えすると、大変喜ばれ、戦争の悲惨さを後世に語り継がなければならないという強い思いについて語ってくださる眼差しが印象に残りました。
次に、鮮やかな紅葉を鑑賞しつつ平和公園に足を運びました。原爆落下中心地の石碑から青い空を見上げながら、この上空約500メートルであの恐ろしい原爆が炸裂したのだと想像すると、とても辛く胸が締め付けられました。最後に訪れた原爆資料館では、被爆遺品の数々がまるで私たちに「二度と同じ過ちを繰り返してはならない」と訴えかけているようでした。
私にとって、今回のピースウォークは、長崎青年部として、原爆の悲惨さをより深く学び、後世に語り継ぐ使命を自覚する貴重な体験となりました。