長崎女性平和文化会議の淵源を読んで
長崎池田県 戸川分県議長
2021年6月にピースカレッジを開催し、長崎女性平和文化会議の淵源について、長崎女性平和文化会議初代議長・木村さんのお話を伺いました。たった一人のメンバーから結成され始まった長崎女性平和文化会議。結成当時からの活動の様子や思いを知る貴重な機会となりました。特に、長崎女性平和文化会議は池田先生から直接結成していただき、師匠のもとから出発した淵源に誇りを感じました。
被爆地・長崎に結成された長崎女性平和文化会議は、結成当時から機関紙「HappyEarth(ハッピーアース)」を現在に至るまで継続発行しています。「HappyEarth(ハッピーアース)」は、池田先生によるSGI提言や対談集をメンバーで学び合い、池田先生の平和行動を広く社会に発信するために発行しています。
活動初期のメンバーは、毎号の機関紙発行にあたり、各人がどれほど多忙であっても、互いに切磋琢磨しながら粘り強く取り組んでいたと伺い、池田先生の平和行動を伝えたいという先輩方の強い使命感を感じました。
また、木村さんのお話は、私自身が長崎女性平和文化会議の一員として、どのように平和行動を行ったら良いのだろうと漠然と悩んでいる自問自答に、その答えの手がかりを示唆してくださいました。「自分がどのように平和活動に踏み出したらいいのかわからなかったら、過去の「HappyEarth(ハッピーアース)」に手がかりがあります。そこから学ぶことが大事です。」と。私は、先輩方が平和のために実際に行動した経験値を通して、長崎女性平和文化会議の一員として活動を進める上での指針を明確に示してくださり、今もなお後輩の使命を見守ってくださる温かさに感動しました。
書籍『新・女性抄』の中で、池田先生は「20世紀は戦争の文化の時代であった。計り知れないほど多くの母たち、女性たちの悲しみの涙が流された。だからこそ、21世紀は母と女性が主役に躍り出て、晴れ晴れと『平和の文化』を創造しゆく時代とならねばならない」と言われています。池田先生のもとから始まった長崎女性平和文化会議のメンバーとして真摯に学び続けることを忘れずに、池田先生の平和行動やSGI提言、対談集等を学び深め、さらに平和学講座や外部主催の講演会等にも積極的に参加して参ります。
「東日本大震災から10年 長崎から福島へ」を聴講して
長崎創価県 内野 室員
2021年4月、第85回長崎平和学講座「東日本大震災から10年 長崎から福島へ」(講師:高村 昇 長崎大学原爆後障害医療研究所 教授)に参加しました。
2011年3月11日の東日本大震災の影響で、福島第一原子力発電所の原発事故が発生。当時、長崎大学教授であった山下先生や高村先生が福島へ実際に赴かれ、放射線健康リスク管理アドバイザーに就任。避難から帰還できなかったチェルノブイリ原発事故を鑑み、福島の方が福島へ帰郷できるお手伝いをしたいと思い、川内村の復興支援に向け、村内の放射線除染や健康相談等に尽力。現在、震災前より約8割の住民が地元へ帰ることができているそうです。
2020年9月20日には東日本大震災・原子力災害伝承館が開館となり、当時の状況や展示ブース、プロローグシアターなどが行われており、原発事故の事実を風化させず、震災を知らない世代への伝承に注力されています。
私は福島に友人がおり、東日本大震災の当時の状況を聞いた時には、あまりの壮絶な話に自然災害の恐ろしさを感じました。加えて、高村先生の講義を拝聴し、東日本大震災から10年たった今もなお、住民の皆さんが戻りたくても戻れない福島県民が3万人以上もいることを知りました。原爆を経験した長崎市民として福島県の原発事故のことを忘れないようにしたいと思いました。
コロナの状況により今は福島へ行くことは厳しいですが、落ち着いたら高村教授が館長をしている伝承館を訪れたいと思います。
「核兵器禁止条約」と自身の使命を考える
佐世保常勝県 藤澤分県議長
2021年4月、第86回長崎平和学講座「核兵器禁止条約の意義と目的」(講師:中村桂子長崎大学核兵器廃絶研究センター准教授)」を受けて、核兵器禁止条約の意義と目的※について興味深く学びました。
私は“核兵器は存在が悪であり、無くなるべきものだ” というのは世界共通の認識だと思っていました。そのため、講義内で「核兵器による核の傘による安全をまだ世界の多くの人が信じている 」と伺い、とても驚きました。
核兵器禁止条約は“核兵器に価値がある”という常識を変えるための条約だそうです。 教授は「その昔『奴隷制』『環境問題』 が取り沙汰されなかったが、現在では大きく世論が変わったように、今は『核兵器は違法である』が常識になる過渡期にある」と述べられ、私が歴史の転換点にいると認識しました。
また、 核兵器禁止条約には核兵器への被害者に対する援助および環境の修復が含まれているため、「ヒロシマ、ナガサキ、フクシマの核被害の経験のある日本の役割はとても大きい」と言われていました。核被害の実相を学び、歴史と事実を風化させない平和行動を継承する使命こそ、長崎に生まれた自身の使命であると深く感じました。
結びに、「核兵器禁止条約は世論、一人一人が語っていくことが大事で、皆様に大きく期待しています」と呼びかけられ、私も学んだこと、感じたことを“自分の言葉”で語っていこうと決意いたしました。(※「核禁止条約の意義と目的」については、ハッピーアース190号を参照ください)
