3月8日「国際女性デー」

「国際女性デー」は、1904年ニューヨークで婦人参政権を求めたデモンストレーションを起源として、国連によって1975年3月8日に制定されました。日本でも「女性の生き方を考える日」として『国際女性デー HAPPY WOMAN FESTA』を展開し、ジェンダー平等について考え、アクションする日としています。
今回、ジェンダー問題についてスマートフォンアドバイザーのモバイルプリンス氏(1987年沖縄出身。お笑い芸人・スマートフォンアドバイザー。2020年初著書『しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール』)の記事を読みました。モバイルプリンス氏がジェンダー問題について次のように述べていましたので、一部抜粋を紹介します。(2022年10月16日付 聖教新聞)

「男性の友人は、転職や独立、昇進を視野に入れながら“どう仕事を進めていくか”という仕事の悩みが多いのに対し、女性の友人たちは仕事や妊活、子育てなど、多岐にわたる悩みを抱えていました。同時に、どれを選ぶのかと“選択”を強いられていたのです。これは、私のパートナーも含みます。彼女は、子育てをするために仕事を辞め、キャリアが不安定なものになりました。「今、すごく楽しいよ」「幸せだよ」とは言っています。けれど、彼女を見ながら、自分のやりたい仕事をやり続けることができた私自身と対比して落ち込んでしまいます。」女性が直面するこうした悩みについて、メディアなどで見聞きし、何となく理解していたつもりでした。でも、自分の大切な人が真剣に悩んでいるのを間近にして、より身近な問題として認識するようになりました。娘が生まれて、女の子の人生をいろいろ考え始めたことも大きいです。

私はモバイルプリンス氏と同世代であり、周りにはモバイルプリンス氏のパートナーと同じような悩みを抱えて、長年勤めた職場を離れ、新たに転職した友人もいます。私は心のどこかで子育ては女性の分野であるという考えが強く、ライフステージが進むにつれて女性の働き方が変わるのは当然であり、またそれが女性にとって幸福な人生であるとも考えていました。しかし、いざ自分の身近な人が結婚や出産に伴う転職で悩む姿を見た時、男性に比べて女性の方が取捨選択を迫られ、その人自身の能力や可能性を狭めているように思います。男性はこうあるべき、女性はこうあるべきというジェンダーに対する固定観念が強い日本ではまずジェンダー不平等の存在に気づき、問題意識を持って考えていくことが大切だと思いました。そのためにはパートナーの協力や理解も大切ですが、子育てをしながらでも働ける体制を作るといった、社会体質の変革が必要ではないかと思いました。

児童労働について思うこと

「児童労働」とは、18歳未満の子どもたちが教育の機会を奪われ、心身の健康的な成長を妨害されながら危険で有害な状況下で違法に働かされていることです。現在、世界の児童労働数は、1億6000万人(2021年国際労働機関発表)で、特にサハラ以南アフリカに多く、児童労働数の半数を占めています。
今回児童労働についてNGO ACE代表の岩附氏の記事を読みました。(2023年4月2日付 聖教新聞)その中で特に印象的だったのは、「児童労働がなくならないのは、貧困が理由ではなく、政治的意思が足りないから」という言葉でした。貧困そのものが問題と決めつけ解決方途を諦めるのではなく、私たちが主体的に児童労働を取り巻く環境や貧困を解決するために何ができるのか、子どもたちの幸せのために何ができるのかを一番に考え行動することが大切だと思いました。児童労働の背景には、「私も幼い頃から働いてきたから」と、子どもが働くことは当たり前という親の考えや価値観が関わっていることも大きく、そのような環境の中で育った子供たちもまた親となり自分の子どもを働かせてしまう。そうした負の連鎖が続いていることも現実です。また、「女の子だから」というだけで学校に通えず、結婚するためにお金を払い、労働力としてしか見られず、女の子を持ったその家庭にとっては経済的負担でしかないということにもショックを受けました。まずはこのような現実を知ること、そして、普段購入している食品や衣料品などをフェアトレード商品に変えてみたり、支援団体について調べたり、このようなことが現実に起きていることを周りに語っていくことが私たちにできる一歩だと思いました。

原爆資料館を訪れて

3月末、私は原爆資料館を訪れました。大人になって改めて見学すると、考えることが多くありました。例えば、ひとつの展示物を寄贈者の方はどのような思いで寄贈されたのか、どのような人生を送ってこられたのか、その背景を私たちは想像することしかできませんが、平和な世界を築く上で、想像力や人の痛みを感じようとする力は本当に大切だと思いました。
私は現在、78 年前に多くの命が奪われた爆心地に程近い場所で働いています。放射線が降り注ぎ、焼け野原だった町を、戦後、私の曽祖父母、祖父母世代の方々が命を削る思いで復興させ、新しい長崎・平和な長崎を建設し、それを父母の世代が引き継いで守ってくれたおかげで、今私は毎日普通に仕事をして、家族や友人と笑い合って暮らせる世界にいることに感謝の思いが込み上げました。たくさんの方の苦しみや悲しみ、そのような悲惨な歴史を経て、今の日常生活がある、そのことを決して忘れてはいけないと感じました。
父方の祖父は諫早の出身ですが、当時、被爆直後の長崎に救護応援として入り、被爆者健康手帳を持っていました。 最近初めて聞いたのですが、小学生や中学生だった諫早の祖母やその親戚も、長崎市内から列車で運ばれてくるたくさんのけがを負った方々のお世話を学校でしていたそうで、その時の情景は、思い出すのも辛いと話していました。
現在、戦争を経験していない世代が増えていく中で、どのように継承していくかが課題となっていますが、私は聞いてきた生の声、感じたことを確実に次の世代に伝えていく使命があると思います。まずは今いる場所で一つ一つ心を寄せて学び、戸田先生の原水爆禁止宣言にある、“核兵器は絶対悪”という思想を堂々と語れる自分へと成長して参ります。

長崎県内の資料館

長崎原爆資料館

  • 長崎市平野町7番8号
  • ℡:095-844-1231
開館時間
  • 8:30~17:30(4月と9月~翌3月)
  • 8:30~18:30(5月~8月)
  • 8:30~20:00(8月7日~9日)
観覧料
  • 一般200円 / 小中学生・高校生100円

浦頭引揚記念資料館

  • 佐世保市針尾北町824番地(浦頭引揚記念平和公園内)
  • ℡:0956-58-2561
開館時間
  • 9:00~18:00(4月~10月)
  • 9:00~17:00(11月~3月)
観覧料
  • 無料

さかきばら郷土資料館

  • 島原市城西中の丁2034
  • ℡:0957-63-1255
開館時間
  • 9:30~16:30(※月・火は閉館)
観覧料
  • 一般300円 / 小中学生・高校生50円