大塚和江さん
神奈川県在住
大塚和江さんは朝鮮半島から強制連行された父と長崎で被爆した母のもとに、被爆二世として生まれました。
「人種差別」と「被爆」という二重の苦しみを感じながら人生を生きてきました。
被爆二世として
私があまりにも体が虚弱だし、病院通いをしていたんですね。中学ぐらいの夏、体がだるくって、いつもゴロゴロしていて、あまりにもひどいんで「なんでこんなに自分自身がこういう風な感じなの」って言ったときに母が言いづらそうな顔をして、下を向いて、私の目を見ないんですね。「ごめんなさい」っていう形で、「お母さんは被爆している」って。
自分の体を通して、すごいことなんだな、放射能っていうのは、っていうことが実感しましたし、それから自分自身が体内被曝ではなかったけれど、そういう状況の中で生まれた自分自身を自信が持てなくなってきましたよね。「できるんだろうか。この先自分が…」それまでずっと体が弱かった、虚弱であって、それも自信が持てなかったのに、それがただ弱いだけでなくって、被爆している母の子どもで、そういう影響を受けながらっていう風に感じた時に、すごいやっぱりショックでしたね。
私自身は直接戦争を経験したわけではありませんでども、戦争無き戦争を経験したって思っております。その中で、私自身が自分の母から学んだ戦争の怖さ、原爆の怖さとか、あと実の父の人種差別の中で強制労働で連れてこられた、人としての人格、人権無視ののこと、自分の母から聞いたり、また実際の姿を見た中で、自分も次の原爆二世として、自分自身が、どう次の世代にこのことを伝えていかなきゃいけないのかという大きな自分自身の存在の意義もあると思いますし、そのことを自分の子どもだけでなくって、次の世代の方に勇気を持って伝えていかなきゃいけないのかなぁと思います。